小宗神経耳科学研究所からのお知らせ

佐賀市にて市民公開講座を開催致しました。

2016/09/15
お知らせ

市民公開講座「聞こえを取り戻そう!」


2016年9月3日に上記のテーマで、佐賀市ホテルニューオータニにおいて市民講座を開催いたしました。県、佐賀大学、言語聴覚協会、県耳鼻咽喉科医会、佐賀テレビ、佐賀新聞などの後援、並びに日本光電株式会社の共催を受けて開催されたものです。演者は「難聴児療育」について佐賀大学医学部耳鼻咽喉科の森本邦子先生、「難聴治療の最先端」という題で織田病院小宗神経耳科学研究所の私が講演いたしました。
 森本先生は佐賀県の難聴児の療育の第一人者の方で県の難聴児の聴覚言語教育を一手に引き受けてこれまで療育を続けてこられてます。講演では難聴児教育の現状及びこれからの展望、また難聴児教育の仕方の実際について詳しくお話をいただきました。わたくしは難聴が今どこまで治るのかということを主題に、聞こえの仕組み、難聴の様々な病態、手術治療の現状、また手術治療が不可能な患者様に対しての聴覚支援機器の開発状況について説明しました。聴覚支援機器の中でも補聴器の効果のない患者様に対しての人工内耳の重要性について詳しく説明いたしました。本年5月10日には、聾の患者様に佐賀県で初めてとなる第一号の人工内耳埋め込み術を本院でおこないました。術前筆談しかできなかった患者様が手術後三か月で極めて良好な聴力改善を認め、普通の会話ができるようにまでになられました。その様子をビデオ供覧しました。最後の質疑応答では、人工内耳に関する質問も多くあり、高度難聴の方々の関心の高さがうかがわれました。予定の定員を超える聴衆の方々の参加をいただき盛況のうちに会を終わることができました。今後も佐賀県の方々に向けて、このような啓発活動を含めて尽力をしてゆきたいと思っております。
最後に福岡県の難聴協会の方々にはボランテイアで要約筆記をしていただき心より御礼申し上げます。